琉球王国のグスク及び関連遺産群
沖縄にある多くのグスク(城)及び遺跡の中から、5つのグスク(首里城、中城城跡、座喜味城跡、勝連城跡、今帰仁城跡)と、その関連遺産の4つの遺物(園比屋武御嶽石門、玉陵、識名園、斎場御嶽)が第24回世界遺産委員会会議で2000年(平成12年)に世界遺産登録されました。これらの公式名称は、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」といいます。
首里城公園【一部開園】
首里城は1429年から1879年まで琉球王国の国王の居城として栄えました。
1945年の沖縄戦では、アメリカ軍の攻撃により首里城は全焼。その後、琉球大学のキャンパスとして利用されましたが、1979年に年琉球大学が西原町のキャンパスへの移転に伴い、復旧事業により1992年に正殿を中心とした建物が沖縄の本土復帰20周年を記念して復元され、世界遺産にも登録されました。しかし、2019年10月31日に発生した火災で再び首里城は焼失。現在、再建プロジェクトが進行中で、正殿は令和8年に完成予定です。
所要時間:1時間~2時間
アクセス | 那覇空港から車で約11分 |
---|---|
住所 | 沖縄県那覇市首里金城町1-2 |
中城城跡
中城城跡は14世紀後半頃に中城按司により、一の郭、二の郭、西の郭、南の郭の主な部分を築き上げました。1440年に築城家の名手と言われた護佐丸により、三の郭と北の郭が増築されて現在の城の形が完成したようです。首里王府に対抗する勝連城主の阿麻和利を牽制するために、座喜味城主であった護佐丸が国王からの命令により移り住んだ城ともいわれています。しかし琉球王権を狙う勝連城主の阿麻和利に攻められ護佐丸は自害しました。
アクセス | 那覇空港から高速道路を利用して約30分 |
---|---|
住所 | 沖縄県中頭郡北中城村字大城503 |
座喜味城跡
15世紀初期に築城家として名手だったといわれる護佐丸(ごさまる)によって築かれたと伝えられており、石垣のアーチ門や曲線が見事です。沖縄戦で城壁が一部壊れてしまったそうですが、今は一部復元されています。城からの景色は絶景で、残波岬、恩納村の海岸、遠くは那覇市や慶良間まで見ることができます。石は滑りやすく、ゴツゴツしてますので歩きやすい靴が安心です。
アクセス | 那覇空港から高速道路を利用して約50分 |
---|---|
住所 | 沖縄県中頭郡読谷村字座喜味 |
勝連城跡
阿麻和利が居城した城と伝えられる勝連城跡は、沖縄の城の中で最も古く、築城は12世紀頃から始まっていたと伝えられています。現在の規模になったのは14世紀ごろのようで、阿麻和利は護佐丸を滅ぼし、さらに琉球統一をめざし国王の居城である首里城を攻めましたが、1458年に大敗して滅びたそうです。
アクセス | 那覇空港から高速道路を利用して約1時間 |
---|---|
住所 | 沖縄県うるま市勝連南風原 |
今帰仁城跡
今帰仁城跡は三山時代に北山国王の居城で北山の拠城でした。また、中国や東南アジアとの貿易も盛んで発掘調査により陶磁器などが出土しています。1416年に中山王の尚巴志によって三山を統一されてからは1665年まで琉球王府から派遣された監守の居城だったと伝えられています。石垣は「野面積み」といわれ最も古い造り方と言われています。1月中旬から2月初めまで寒緋桜がきれいに咲きます。
アクセス | 那覇空港から高速道路を利用して約1時間40分 |
---|---|
住所 | 沖縄県国頭郡今帰仁村字今泊4874 |
斎場御嶽
斎場御嶽は琉球の始祖「アマミキヨ」が造ったとされ、国始めの七御嶽の一つといわれる沖縄最高の聖地です。琉球の最高神女であった聞得大君の就任の儀式はこの斎場御嶽で執り行われたそうです。足元がやや悪く、急な傾斜や階段がありますのでスニーカーなどの歩きやすい靴で行かれることをお勧めします。
アクセス | 那覇空港から車で約35分 |
---|---|
住所 | 南城市地域物産館を目標に。 沖縄県南城市知念字久手堅539番地 |
園比屋武御嶽石門
園比屋武御嶽石門は守礼門と首里城の正門にあたる歓会門の中間にあり、尚真(1477~1526年)によって1519年に創建されたことがわかっています。築造者は竹富島出身の西塘。国王が首里城を出て各地を巡る際に道中の安全を祈願した拝所です。また琉球王府の最高位の神女の聞得大君が斎場御嶽で即位式をおこなう際にもここで祈願したと伝えられています。沖縄戦で大破しましたが見事に復元されています。
アクセス | 那覇空港から車で約11分 |
---|---|
住所 | 沖縄県那覇市首里真和志町1-7 首里城公園内 |
玉陵
玉陵は1501年、尚真王が父尚円王の遺骨を改葬するために築かれ、第二尚氏王統の陵墓となりました。墓室は三つに分かれ、中室は洗骨前の遺骸を安置する部屋で創建当初の東室は洗骨後の王と王妃、西室には、墓前の庭の玉陵碑に記されている限られた家族が葬られたそうです。沖縄戦で大きな被害を受けましたが、3年余りの歳月をかけて修復工事が行われ往時の姿を取り戻して今日に至っています。
アクセス | 那覇空港から車で約15分 |
---|---|
住所 | 沖縄県那覇市首里金城町1-3 |
識名園
1799年に造営された琉球王家最大の別邸で、琉球王家の人々の保養や、外国使臣の接待などに利用されました。
アクセス | 那覇空港から車で約15分 |
---|---|
住所 | 沖縄県那覇市字真地421-7 |
夏は暑さ・日焼け対策を!
沖縄の夏は強い日差しと湿度で暑いです。特に城跡を見学する際は、汗を拭くハンカチやタオル、日傘や着替えを用意しておきましょう。また、熱中症対策に水分もこまめに補給しましょう。